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スケートリンク施設内における感染防止策について

2021.10.29

全国高等学校選抜アイスホッケー大会における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)事例は、関係機関の調査等を経て国立感染症研究所より報告されております。
その報告中では、感染拡大につながる要因の一つとして、スケートリンク施設内競技エリア等でのエアロゾル感染の可能性を指摘されております。
北海道大学大学院工学研究院が苫小牧市白鳥王子アイスアリーナと連携し実地調査(図1)を重ねることにより、アイスリンク周囲のガラスによって冷気溜まりが発生し、その中の換気が非常に少ないことがわかりました。整氷車による作業を行うたびに一旦空気は撹拌されますが、作業後すぐに冷気溜まりが発生することもわかりました。これは、氷によって冷やされた重い冷気がたまりやすい性質を持っていることで生じる、アイスリンク特有の現象です。

  • アイスリンクの換気性状の測定点

  • スモークテスタによる冷気溜まりの可視化

対策に関する検証実験によって、選手ベンチの透明パネルを取り外すことで冷気溜まりの高さを下げるとともに、扇風機によって選手ベンチ(プレーヤーズベンチ)などの空気を常に攪拌することによって、感染しやすい環境を改善できることが確認できました。
実際に調査及び実験を行った苫小牧市白鳥王子アイスアリーナの現時点での取組を紹介しますので、各スケートリンクにおいてもこの事例を一例として積極的に取り組んでいただきますようお願いします。各スケートリンクの施設規模や既設換気システム、利用状況、地域気候等によって、取組み方法は様々な形になると思います。利用者の安全を守るためとご理解いただき、各施設の氷面を保てる範囲で、各施設の状況に合った形で積極的にお取り組みくださいますようよろしくお願いたします。

<留意点>
・プレーヤーズベンチ、ペナルティーベンチの側面、背面の透明パネルを取り外す際には、観客等の安全にも配慮する。
・プレーヤーズベンチ、ペナルティーベンチ等の内外に扇風機等を設置する際には、リンク側に向けやや上向きに吹くようにする。また、両ベンチに不均衡が生じないよう配慮して設置する。