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第82回全日本選手権大会決勝戦における ゴール判定と表彰式等における非礼行為への対応について

2014.12.24

平成26年12月7日開催の第82回全日本アイスホッケー選手権決勝戦における決勝点のゴール判定及び表彰式等に於ける非礼行為について、本連盟審議委員会にて、調査・検討し、12月20日開催の理事会で決定した対応内容をお知らせいたします。

1 決勝ゴールの判定について

 日光アイスバックスの佐藤大翔選手による決勝ゴールは、上部ネットに当たったパックがさらにインゴールカメラの送信機に当たり、それがゴール前に跳ね返ったものでした。このことは、ゴールの瞬間を捉えた写真ではっきり確認できます。また、テレビ中継用に取り付けたインゴールカメラと送信機の設置状況写真や川村レフェリーの報告書からも合理的に説明することができます。審判団の協議が長引いたのは、①インゴールカメラと送信機を設置したため、レフェリー、ゴールジャッジともに死角が生じたこと、②ビデオを利用したゴール判定サポートシステムを採らなかったこと、加えて、③伝統ある全日本選手権の決勝戦であることなどから慎重にも慎重を期したものであり、そのこと自体は仕方のないものでした。

2 ゴールの認定経過等を場内放送で説明しなかったことについて

 審判団の協議によりゴールの認定をしたにも拘わらず、キャプテンを通じて両チームにその旨伝えただけで、ゴールのサインも出さず、ゴール認定に至った経過を場内放送で説明しなかったために、観客の皆さまには非常に不明朗な印象を与えてしまいました。また、ゴールと同時に終了する延長戦でありながら、試合の終了自体も不明瞭なものになってしまいました。こうしたケースでは、ゲームスーパーバイザーがレフェリーから事情を聴取し、速やかに場内放送で説明を行うべきでした。このことについては、レフェリー報告書やゲームスーパーバイザー報告書にも、反省点として挙げられており、当連盟としても、改善に向けて早急に対応したいと考えています。

3 表彰式等での非礼行為について

 東北フリーブレイズの一部の選手が、①試合終了後の握手を拒んだ、②乱れた服装で表彰式に臨んだ、③準優勝メダルを首から外した、④準優勝メダルをゴミ箱へ捨てたなどの非礼行為を行いました。
当連盟の審議委員会では、処分の内容を審議するに当たり、最初に、テレビ放送の録画ビデオ、表彰式の記録写真、レフェリー及びメダル授与者等からの聞き取り調査などにより事実確認を行いました。続いて、当連盟、IIHF及び国内競技団体の懲罰規定等について調べました。
当連盟にはこうした事案に当てはまる罰則規定はありません。そのため、審議委員会ではIIHFの「世界選手権大会の閉会式に関する運営規則(IIHF Regulation 5.5.8 Victory and Closing Ceremony)を参照して当該選手の処分案を決定しました。処分案は理事会に具申され、そのまま承認されました。

4 IIHFの「世界選手権大会の閉会式に関する運営規則について

2012年の国際アイスホッケー連盟の年次総会で、次のように世界選手権大会の閉会式に関する運営規則が提案され、承認されています。それによれば、「役員によって選手の首にかけられたメダルは、閉会式とそれに続く試合後のミックスゾーンや会見場でのメディア対応の間、敬意をもって首にかけていなければならない。このルールに対するいかなる違反行為もIIHFの懲罰委員会に報告され、IIHFの細則1001に基づき追加処分を受けることがある。」とされています。その理由として、「過去のIIHFの世界選手権大会において、特に決勝戦で負けた時、メダル授与者に対して非礼な行為を行う選手やチームが増えてきた。負けることはどんなスポーツにおいても不可欠なことであり、特にジュニアトーナメントにおいては、選手は、こうした状況に対応する教育を受けなければならない。首からメダルを外すことは勝者及びその大会の運営組織に対する非礼を示すことであって、全く受け入れられない。」ことが挙げられ、「今後、IIHFは、そのような振る舞いに対して、厳しい懲罰行為をもって対応する。」とされています。

5 東北フリーブレイズが準優勝の返上を表明したことについて

 東北フリーブレイズは、当連盟への相談もなく、一方的に準優勝の返上を表明しました。準優勝の返上には反省の意味が込められているとのことですが、このことは、メダルを首から外したり、ゴミ箱へ捨てたりすることと同様、大会運営組織への非礼行為に当たります。また、それは大会運営組織のみならず、これまで長きに亘り全日本選手権大会の歴史を積み重ねてきた全ての参加選手や大会関係者への非礼行為にも当たります。この度の顛末を当連盟に報告するとともに、このことが非礼行為であったことを認め、HP等で準優勝返上の撤回と謝罪の意を表明するよう求めます。

6 当連盟としての今後の対応について

(1)ビデオを利用したゴール判定サポートシステムが設置されていなかったことが今回のトラブルの一因になりましたので、アジアリーグのプレーオフと同様、今後の全日本選手権では全試合に適用することとします。

(2)加盟団体等に対して、「Fairplay & Respect」の精神の徹底と再発防止について周知します。

(3)ゲームスーパーバイザーの役割は非常に重く、多岐にわたるものです。当連盟関係者はもとより、加盟団体に対しても、研修会や文書などを通じてその周知を図ります。

(4)表彰式の場でも選手の非礼行為を糺すことができたはずであり、大会役員の果たすべき役割を改めて洗い出します。

(5)IIHFの世界選手権の表彰式に関する規定や公益財団法人日本サッカー協会で定める「懲罰規程」などを参考にして、当連盟の「懲罰規程」を早急に整備します。